ピル外来
ピルとは
ピルは女性のためのホルモン剤です。
月経痛や月経困難症(PMS:生理前に起こるイライラ、抑うつ、不安、過食、むくみ、腰痛、倦怠感など)、生理不順、過多月経、子宮内膜症の改善、ニキビ治療、避妊目的などで使用します。
例えば、
- ニキビ治療目的の場合、男性ホルモンが少ない(または含まれない)ピルを選びます。男性ホルモンの多いピルを飲むことによりニキビが悪化する場合があります。
- 避妊目的の場合、より自然なホルモンバランスで血栓リスクが比較的少ないピルを選びます。
- 前兆のある片頭痛の既往がある方や40歳以上の方では、女性ホルモン(卵胞ホルモン)が含まれないミニピルをすすめます。血栓のリスクをより軽減することができます。
当院では、診察時に患者さんとお話しし、目的に合った適切なピルを処方しております。
低用量ピルの考慮すべきリスク
血栓症は低用量ピルを内服する上で懸念される副作用の一つですが、ピルによる血栓は妊娠・出産前後と比べても非常に少ない発症率です。ほとんどの方は過度に心配する必要はありませんが、前兆のある片頭痛の既往がある方や、肥満の方などでは、低用量ピルではなくミニピル(リンク)を処方したり、別の治療をすすめるなど、医師よりご説明させていただきます。
また、低用量ピルのよく起こる副作用に吐き気がありますが、ほとんどは数日~3シート以内で自然に治ります。その他の副作用についても診察時に詳しく説明致します。
ミニピル
ミニピルはピルの一種で、ミニピルの製品名をセラゼッタと言います。
低容量ピルと同様に、高い避妊効果があり(99%以上)、生理痛緩和やP M S(月経前症候群)改善などで使用されます。
一般的な低用量ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの複合薬であるのに対し、ミニピルは黄体ホルモンだけが入ったピルで、女性ホルモンは含まれません。そのため、低用量ピルで懸念される血栓のリスクを有意に上昇させることなく内服することが出来ます。
低用量ピルの血栓リスクに不安がある方、血栓リスクの高い喫煙者の方、偏頭痛の既往がある方、授乳中の方などにも安全して使用できるピル製剤です。
詳しくは「ミニピル」をご参照ください。
ピルの料金(税込)
1シート4週間分 | スーシー ¥2,463 |
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ヤスミン ¥3,138 | |
マーシロン(超低用量)¥2,310 | |
トリキュラー ¥1,980 | |
セラゼッタ(ミニピル)¥2,970 |
※処方には診察料(初診¥3,300、再診¥1,100)が別途かかります。
※医薬品のため副作用等があった場合でも、処方後の返品・返金は承れません。
※初診時と3ヶ月または6ヶ月に1度の血圧、採血検査(¥3,630)が必要です。
ピルを内服できない可能性のある方
- 初経前の方
- 妊娠中、授乳中、妊活中、または1年以内に妊娠の予定がある方
- 乳がん、子宮頸がん、子宮頸部上皮内腫瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎、高血圧、高脂血症、糖尿病、重篤な肝障害、腎障害、肝腫瘍、耳硬化症、抗リン脂質抗体症候群、血栓性素因、肺高血圧症、心房細動、心臓弁膜症、心内膜炎、ポルフィリン症、てんかん、テタニーの既往がある方
- 未診断の異常性器出血がある方、異所性妊娠の既往がある方
- 血栓症の既往がある方
以下の方には低用量ピルではなく、より低リスクのミニピル(黄体ホルモン製剤)をおすすめします。
- 40歳以上の方
- 喫煙される方
- BMIが30を超えている方
- 前兆(目の前が暗くなる、キラキラする等)のある偏頭痛がある方、35歳以上で偏頭痛がある方
以下の既往がある方はミニピルを処方できない場合があります。医師にご相談ください。
- ファボワールやマーベロンなど、デソゲストレル配合薬にアレルギーのある方
- 乳がん、子宮頸がんなどの悪性腫瘍や、重篤な肝障害のある方
- ポルフィリン症の方
- 乳糖アレルギーのある方
- 原因不明の性器出血がある方、異所性妊娠の既往がある方
- 血栓症の既往がある方