ニキビ治療
ニキビとは
ニキビは医学用語で尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれる皮膚の疾患で、90%以上の男女が経験すると言われています。毛穴が詰まってニキビ菌が増殖することで炎症を起こします。皮脂の分泌が増加する思春期からでき始めますが、20代、30代、40代以降でも生じることがあります。顔以外にも、背部、前胸部、頭部など皮脂の分泌が多い部位に好発します。
時々できる1、2個程度のニキビであれば、生活習慣の見直しや、市販薬など個人のできる範囲で対応するのも良いと思いますが、繰り返すニキビや中等症以上のニキビの場合は医療機関を受診しましょう。ニキビを繰り返したり、炎症が強くなると、ニキビ跡が多く濃く残りやすくなります。
また、ニキビの原因は、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、マスクや化粧品の刺激など、様々な事柄が挙げられますが、根本的には〝ニキビができやすい体質や遺伝的要因〟が大部分を占めます。体質により、皮脂の分泌が多かったり、ニキビ菌が繁殖しやすかったり、過剰に炎症を来したりと、色々な状況が複合してニキビに繋がっていきます。
ニキビ治療
医療機関でのニキビ治療の方法は、塗り薬や、抗生剤の内服など、いくつか選択肢があります。ニキビで医療機関を受診されたことのない方は、まずは保険治療をおすすめしています。
makiスキンケアクリニックのニキビ治療
当院のニキビ治療は主に、保険治療などでは治すことのできない中等症以上のニキビに対し、イソトレチノイン治療とホルモン治療を行っています。これらは米皮膚科学会のガイドラインに沿った医学的エビデンスに基づく保険適応外の治療方法です。
イソトレチノインやホルモン治療などの内服薬で、体の中からニキビ治療を行うことによって高い効果が得られ、再発リスクをできる限り抑えることができます。
当院では、医師の診察で今の状態をしっかり説明させていただき、患者様と相談しながら治療を行います。また、治療の効果だけでなく副作用・注意点などの説明、副作用チェックのための定期検査をし、安全性を重視した治療を行っています。
診察・ご相談のみのご予約も受け付けております。
また、医学的エビデンスに基づいたニキビのスキンケアアドバイスが診察料に含まれています。
※当院でニキビの初期治療(塗り薬や抗生剤の処方)を行うこともできますが、保険適応外となります。料金等はホームページをご参照いただくか、当院までお問い合わせください。
イソトレチノイン治療
イソトレチノインはニキビ治療薬の一種で、ビタミンA誘導体のレチノイド系の薬剤です。
イソトレチノイン製剤は製薬会社によって製品名が異なり、アキュテイン、ロアキュタン、ロアキュテイン、ソトレット、アクネトレントなどがあります。
欧米諸国のニキビ治療ガイドラインでは、中等症〜重症ニキビに対し高いレベルで推奨されている治療法ですが、日本ではニキビに対しては保険適応外です。性別に関わらず使用することができます。
イソトレチノインのニキビへの効果
イソトレチノインは、皮脂腺の退縮(アポトーシス)、皮脂量の減少、ニキビ菌の減少、細胞の正常化、毛穴づまりの改善、抗炎症作用など様々な作用があり、これらが複合してニキビに対して高い効果を示します。
イソトレチノインの有効率は98.99%とされ、非常に効果の高い治療方法です。ニキビは再発しやすい疾患ですが、イソトレチノインは再発も防ぐことができます。1クール後の再発率は30%以下で、2クール目以降では再発率がさらに低下します。
イソトレチノイン治療のながれ
治療開始後1ヶ月間は約30%の方に初期悪化(好転反応)と呼ばれる一過性の増悪がみられることがありますが、平均して約2~3ヶ月でニキビが改善していきます。状況によっては治療効果を高めるために増量が必要な場合もあります。
途中でニキビが良くなっても、6ヶ月経たずに中断すると再発しやすくなってしまいます。治療後の再発を防ぐためにも、1クール6ヶ月間の服用を継続する必要があります。(経過によっては最大8ヶ月服用する場合があります)
イソトレチノインは再発も抑制しますが、再発した場合は2ヶ月以上の期間を空けて2クール目を行うか検討します。再発の程度によっては、塗り薬やホルモン治療など別の治療法を選択するケースもあり、患者さんと相談しながら治療を行っていきます。
イソトレチノインの主な副作用や注意事項
イソトレチノインはニキビに対し非常に効果の高い薬剤である一方、副作用や注意すべき点が多々あります。最も多い副作用は乾燥で、唇、鼻、目、顔、体を十分に保湿する必要があります。
高度な肝障害や脂質異常等がないかを確認するために、定期的な血液検査が必要です。非常に稀ですが、重篤な副作用として、重症アレルギー、急性肝炎、潰瘍性大腸炎・クローン病、自殺衝動などが報告されています。また、イソトレチノインの重大な副作用として、胎児の催奇形性(胎児の奇形)があります。女性は内服中及び内服中止後6ヶ月間は必ず避妊が必須です。内服中の検査には妊娠反応の確認が含まれ、ピルやコンドームなど二つ以上の避妊方法を推奨します。
副作用については、診察時に説明用紙で詳細に説明しております。心配な点は医師にご相談下さい。
当院症例
治療前
イソトレチノイン20~40mg 6ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー5回(治療中)
治療前
イソトレチノイン20~40mg 6ヶ月
治療前
イソトレチノイン40~60mg 6ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー6回(治療中)
治療前
イソトレチノイン40~60mg 6ヶ月
治療前
イソトレチノイン20~40mg 7ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー5回(治療中)
治療前
イソトレチノイン40mg 6ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー10回
治療前
イソトレチノイン40mg 6ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー7回(治療中)
治療前
イソトレチノイン40mg 6ヶ月
肌質改善ロングパルスレーザー4回(治療中)
料金
診察料 | 初診料 ¥3,300 再診料 ¥1,100 |
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検査料 | 血液検査 ¥3,630 尿検査 ¥1,100(女性) |
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イソトレチノイン20mg | 薬代 | 30日分(20mg×30錠)¥11,550 |
合計(30日) | 初診 ¥18,480~¥19,580 再診 ¥16,280〜¥17,380 | |
イソトレチノイン40mg | 薬代 | 30日分(20mg×60錠)¥23,100 |
合計(30日) | 初診 ¥30,030~¥31,130 再診 ¥27,830〜¥28,930 | |
イソトレチノイン60mg | 薬代 | 30日分(20mg×90錠) ¥34,650 |
合計(30日) | 初診 ¥41,580~¥42,680 再診 ¥39,380〜¥40,480 | |
イソトレチノイン10mg(税込)※1 | 薬代 | 30日分(10mg×30錠)¥9,900 |
合計(30日) | 初診 ¥16,830~¥17,930 再診時 ¥14,630~¥15,730 |
※1 主に治療後の維持や皮脂抑制に使用する容量です。
※医薬品のため副作用等があった場合でも、処方後の返品・返金は承れませんのでご了承ください。
当院のイソトレチノイン治療を受けることが出来ない方
- 15歳未満の方
骨端線が閉鎖し、身長が伸びにくくなる可能性があります。
18歳未満の方は、初診時は必ず保護者の方と一緒にご来院ください。 - 妊娠中、妊活予定の方など
妊娠中、授乳中、妊活中、1年以内に妊娠を予定されている方は、イソトレチノイン治療を受けることができません。 - レーザー脱毛など、レーザー治療中の方
光線過敏の副作用があるため、イソトレチノイン治療中および中止後1ヶ月はレーザー治療を中断する必要があります。 - うつ病や統合失調症などの精神疾患のある方
精神科でうつ病や統合失調症と診断されている方は、原則としてイソトレチノイン治療を受けることができません。ただし、完治されている方や、主治医から許可が得られた場合には治療を行える場合もありますので、医師にご相談ください。 - 個人輸入をしている方
イソトレチノインの個人輸入は禁止されています。個人輸入をしている方の副作用チェック等は行っておりません。 - 軽症の方
原則としてイソトレチノインは保険治療では治らない中等症以上のニキビに使用します。 - 潰瘍性大腸炎、クローン病、重篤な肝障害などの既往がある方
- レーシック前後6ヶ月以内の方
- アレルギーのある方
イソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、アスピリン喘息のある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方は服用できません。 - 定期検査を行えない方
副作用の確認を行いながら治療する必要があり、原則として1ヶ月に1回の血液検査や尿検査(女性)があります。
ホルモン治療
ホルモン治療は、女性の中等症以上のニキビに対して行います。「ピル」と「スピロノラクトン」を組み合わせることで、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスを整えます。
ピルには種類があり、ニキビへの効果が高いピルを選択する必要があります。
スピノロラクトンは男性ホルモンを抑制します。
※スピロノラクトンとアルダクトンは同じ薬剤です。
ホルモン治療のニキビへの効果、治療方法
ホルモン治療のニキビへの有効率は90%以上であり、イソトレチノインに次いで効果の高い治療方法です。ニキビだけでなく、皮脂の抑制や毛穴の縮小、肌質向上などの効果があります。
一般的には、イソトレチノインほど乾燥等の副作用は強くありませんが、ホルモン治療は効果が安定するまで3ヶ月ほどかかります。また、治療開始後3ヶ月間は約30%の方に初期悪化(好転反応)と呼ばれる一過性の増悪がみられます。ホルモン治療を行って3〜4ヶ月が経過してもニキビが出来続ける場合は、治療内容の変更が必要になるケースもあります。イソトレチノインの再発率が30%であるの対し、ホルモン治療の再発率は60%とやや高く、治ったからといって急に中断せず、徐々に減量していく必要があります。平均して約1年以上の治療期間です。
ホルモン治療の主な副作用や注意事項
ピル
ピルは古くから使用されている安全性の高い薬剤です。飲み始めはホルモンバランスが変化することで吐き気や頭痛、乳房の張りなどの症状を感じる場合がありますが、ほとんどの場合は内服を続けるうちに自然と軽快します。
ピル内服中は避妊効果がありますが、内服を終了すると多くの場合、3ヶ月以内に自身の生理周期が戻り、内服前と同じ妊娠可能な状態に戻ります。
女性ホルモン内服による子宮頸がんや乳がんのリスクについては、5年以内の内服期間ではリスクが少ないとされ、逆にピルを内服することで卵巣がんや大腸がんのリスクは低下します。女性ホルモンの働きにより血栓症のリスクが多少増加するため、ピル以上に血栓リスクのある喫煙をしている方には当院ではピルの処方は行っておりません。また、前兆のある偏頭痛がある方や、B M I>25の方にも処方を控えさせていただいております。
スピロノラクトン(アルダクトン)
スピロノラクトンも安全性の高い薬剤ですが、利尿作用があるため頻尿や、肌の軽度の感じる場合があります。腎機能の確認のため、定期的な血液検査も必要です。
どの薬剤にもアレルギーリスクはあるものですが、スピノロラクトンを内服し始めて4週間以内に蕁麻疹や皮疹、肌の痒みなどのアレルギー症状が起きた場合は内服を中止します。非常に稀ですが、重度のアレルギーの報告がありますが、他の薬剤と比較し頻度が高いわけではありません。副作用については、診察時に説明用紙で詳細に説明しております。心配な点は医師にご相談下さい。
料金(税込)
診察料 | 初診料 ¥3,300 再診料 ¥1,100 |
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検査料 | 血液検査 ¥3,630 尿検査 ¥1,100(女性) |
ピル1シート28日分 | スーシー ¥2,463 |
ヤスミン ¥3,138 | |
マーシロン(超低用量) ¥2,310 | |
ラベルフィーユ ¥1,980 | |
セラゼッタ(ミニピル) ¥2,970 | |
スピロノラクトン | 1日100mg(25mg×4錠)28日分 ¥3,696 |
1日75mg(25mg×3錠)28日分 ¥2,772 | |
1日50mg(25mg×2錠)28日分 ¥1,848 | |
1日25mg(25mg×1錠)28日分 ¥924 |
※医薬品のため副作用等があった場合でも、処方後の返品・返金は承れませんのでご了承ください。
例)初診時
初診料 ¥3300、血液検査 ¥3,630、尿検査 ¥1,100
スーシー1シート ¥2,463
スピロノラクトン100mg28日分 ¥3,696
↓
お薬28日分で合計¥14,189
※血液検査は3ヶ月または6ヶ月おきのご案内であり、検査がない際には検査料は発生しません。